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NY同時多発テロの傷痕を残す旧ワールドトレードセンターの現在

2001年の9月11日、イスラム過激派テロリスト集団アルカイダが航空機をハイジャックし、マンハッタンにあるワールドトレードセンターのツインタワーに突撃した。約3000人の死者と25,000人以上の負傷者を出し、アメリカ史上最悪のテロ事件となった。爆心地となったグラウンド・ゼロは、遺族からの希望もありノースタワーとサウスタワーそれぞれの跡地に、滝が流れる四角い巨大なプールの慰霊碑が作られた。慰霊碑の周りには犠牲者となった人々の名前が彫られ、犠牲者の誕生日にはボランティアによって白いバラの花が飾られる。事件から20年が経過した現在、WTCはワンワールドトレードセンターとして、事件の傷痕を残しながらも、新しく前を向こうと美しく生まれ変わっている。ハブ駅となるワールドトレードセンター駅にはスペイン出身の建築家サンティアゴ’・カラトラバ氏によってデザインされた翼の骨の様な「オキュラス」が造られ、駅構内にはWestfieldと呼ばれるショッピングモールがオープンし、随時人で賑わっている。さらに駅を出るとグラフィティが描かれたMuralで囲まれ、訪れる人達を明るい気分で迎えてくれる。現在のワールドトレードセンターは、事件の傷痕の深さを風化させずに、デザインとアートの力を駆使しバランスよく計算されたランドスケープとなっている。クリエイティブ且つタフなNYの姿を映し出し、心揺さぶられる復興の場所となっている。慰霊に来る人、観光に来る人、仕事で来る人、目的は違えど多くの人が旧WTCを訪れることにより、一種テロへの対抗となり、NYCの平和を願うことに繋がるのではと感じている。

ワールドトレードセンターの駅を出るとすぐに壁画が。
よく見るとウルトラマンやゴジラ、目玉のおやじにアトムまでも。

NYのMuralには珍しく細かいタッチの建物の絵。こういう絵を見ると絵の中に”何か”を探してしまう。

ワールドトレードセンターやグラウンド・ゼロと聞くと過去の記憶が蘇り、少し暗い気持ちになってしまうけれど、それを刷新するかのごとく明るくPOPなMuralが出迎えてくれる。

恐竜の骨のような形のオキュラス。サンティアゴ・カラトラバ氏による設計で15年を経て完成。

オキュラスの内部はワールドトレードセンター駅直結のデパート。クリスマスのライティングがツリーの様。

ワールドトレードセンタービルの跡地に出来た慰霊碑。今も絶えず多くの人が祈りを捧げている。

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